「工務店のブログを更新したほうがいいのは分かっている。でも、何を書けばいいのか分からない」
「AIを使えばブログが簡単に書けると聞いて試してみたけれど、なんとなく他の会社でも書けそうな記事になってしまった」
そんな経験はないでしょうか。
今の生成AIは、テーマをひとつ与えるだけでも、それなりに読みやすいブログ記事を作ってくれます。
では、工務店のブログも全部AIに任せればいいのでしょうか。
今回はそれを確かめるため、架空の工務店を設定して、まったく同じテーマで3つの記事を作ってみました。
変えたのは文章のテーマではありません。
AIに与える「情報」だけです。
結果として、3つの記事はかなり違うものになりました。
※この記事に登場する工務店・人物・施工事例・インタビューは、比較検証のために作成した架空のものです。実在する企業・人物とは関係ありません。
今回AIに書いてもらった工務店ブログのテーマ
3記事すべて、テーマはこちらで統一しました。
「高気密・高断熱の家は本当に快適?家づくりの前に知っておきたいこと」
そして、AIに与える情報だけを3段階に変えました。
記事1:テーマだけを与える
最初は、工務店について何も教えません。
AIに伝えたのは、
「『高気密・高断熱の家は本当に快適?家づくりの前に知っておきたいこと』というテーマで、工務店が自社サイトに掲載するブログ記事を書いてください」
という指示だけです。
記事2:工務店のWebサイト情報を与える
次に、架空の「ひなた工房」という工務店を設定しました。
所在地、施工エリア、会社の歴史、家づくりへの考え方、高気密・高断熱への考え方、社長プロフィールなど、通常であれば工務店のWebサイトから分かる情報をAIに与えます。
そのうえで、まったく同じテーマの記事を書いてもらいました。
記事3:さらに社長へのインタビューを与える
最後はWebサイト情報に加えて、佐々木社長にインタビューしたという想定で、その回答をAIに与えました。
お客様から実際によく聞かれること。
住宅性能について社長自身が考えていること。
過去のお客様とのエピソード。
家づくりの打ち合わせで大切にしていること。
長く住宅に携わってきて、考え方が変わったこと。
そうした、通常のWebサイトには載っていない情報です。
この3つの条件で、記事がどう変わるのかを比べてみます。
【比較1】テーマだけでも、AIはちゃんとした記事を書ける
まず、テーマだけを渡して作った記事です。
→ [サンプル記事1|テーマだけでAIに書いてもらった記事を読む]
実際に読んでみると、それほど悪い記事ではありません。
高気密・高断熱とは何か。
どんなメリットがあるのか。
冷暖房効率や室内の温度差。
換気計画の重要性。
建築費と住んでからの光熱費。
UA値やC値について。
家づくりを検討している人が知りたい基本的な情報は、一通り入っています。
文章としても、特におかしなところはありません。
つまり現在のAIなら、
「高気密・高断熱について工務店のブログを書いて」
という程度の指示でも、それなりの記事を作れてしまいます。
では、何が足りないのでしょうか。
この記事からは、
「この工務店は、家づくりについてどう考えているんだろう?」
ということがほとんど分かりません。
当然です。
AIには、その工務店について何も教えていないからです。
【比較2】Webサイトを読ませると「その会社の記事」になる
次に、架空の「ひなた工房」のWebサイト情報をAIに与えました。
→ [サンプル記事2|工務店のWebサイト情報を加えて作った記事を読む]
すると、記事の内容が変わり始めました。
たとえば記事1では、
「窓の位置や大きさ」
「日当たり」
「間取り」
「その土地の気候」
などが、高気密・高断熱住宅を考える際の一般的な注意点として紹介されていました。
記事2になると、
「藤沢・茅ヶ崎・鎌倉を中心とした湘南エリア」
という具体的な地域が登場します。
そして、
「湘南では冬の寒さだけでなく、夏の日射をどう抑えるかも重要」
「海に近い場所、内陸部、住宅密集地、高台では条件が違う」
という話へ広がっていきます。
さらに、ひなた工房がWebサイトで掲げている、
「性能を、暮らしの心地よさにつなげる家づくり」
という考え方が記事全体に反映されるようになりました。
同じテーマなのに、
「高気密・高断熱について説明する記事」から、「ひなた工房が高気密・高断熱をどう考えているのかが分かる記事」へ変わった
わけです。
Webサイトの情報をAIに与えるだけでも、これだけの違いが出ました。
【比較3】インタビューを加えると「その人の記事」になる
そして3つ目です。
Webサイト情報に加えて、社長へのインタビュー回答をAIに与えました。
→ [サンプル記事3|社長インタビューを加えて作った記事を読む]
ここで記事はさらに大きく変わりました。
たとえば、こんな話が登場します。
あるお客様は、以前住んでいた家の冬の寒さに悩んでいました。
朝起きたら、まず暖房をつける。
部屋が暖まるまでは上着を着て過ごす。
新しい家に住んで最初の冬を過ごしたあと、そのお客様から言われた言葉が、
「朝起きるのが嫌じゃなくなりました」
だったそうです。
AIは、高気密・高断熱住宅について、
「室温を保ちやすくなります」
と説明できます。
しかし、
その工務店で家を建てたお客様が、最初の冬を過ごして何と言ったのか
は知りません。
これは、その会社しか持っていない情報です。
AIは「社長が普段どう考えているか」も知らない
インタビューでは、さらにこんな話も出てきました。
佐々木社長は、家づくりの相談で、
「どんな家が欲しいですか?」だけでなく、「今の家で何が嫌ですか?」と聞きたい
と言います。
「冬、脱衣所に行くのが寒い」
「洗濯物を2階まで持っていくのが面倒」
「朝、家族が洗面所に集中する」
こうした一見ささいな話が、実際には家づくりの大切なヒントになるからです。
さらに、
「UA値を○○にしたい」
という話より、
「冬の朝がつらい」
と聞いたほうが、その人が求めている家が分かることもあると言います。
これも「高気密・高断熱」というキーワードについてAIが持っている一般知識ではありません。
その社長が、日々のお客様との打ち合わせの中で考えていることです。
3記事を比較すると、違ったのは「AIの文章力」ではなかった
今回の3記事は、すべて同じテーマです。
違うのは、AIに与えた情報です。
記事1
テーマだけ。
→ AIは「高気密・高断熱」について知っている。
記事2
テーマ+Webサイト情報。
→ AIは「ひなた工房がどんな会社なのか」も知っている。
記事3
テーマ+Webサイト情報+社長インタビュー。
→ AIは「佐々木社長が何を経験し、何を考えているのか」まで知っている。
つまり、文章を変えた最大の要因は、特別な文章テクニックではありません。
AIに渡した材料が変わったことです。
AIだけで書いたブログが悪いわけではありません
ここは誤解してほしくないところです。
今回の記事1を見ても分かるように、AIだけでも十分読みやすい記事は作れます。
一般的な知識を分かりやすく整理することは、むしろAIが得意なことのひとつです。
問題は、
AIは、あなたの会社で昨日何があったのかを知らない
ということです。
お客様からどんな相談を受けたのか。
現場でどんなことに気づいたのか。
昔と今で家づくりに対する考え方がどう変わったのか。
お客様から言われて今でも覚えている言葉。
ネットではよくこう書かれているけれど、現場では少し違うと感じていること。
こうした情報は、AIの中ではなく、
社長やスタッフの頭の中にあります。
工務店には、実はブログのネタがたくさんある
「工務店のブログを書きたいけれど、ネタがない」
という相談があります。
でも、実際にはネタがないのではないのかもしれません。
たとえば、
- お客様からよく聞かれる質問
- 打ち合わせで毎回説明していること
- 現場で気をつけていること
- 施工後のお客様から聞いた感想
- 住宅会社を選ぶときに知っておいてほしいこと
- プロから見ると少し違うと思うネット上の情報
- 過去の施工で印象に残っていること
- この仕事を続ける中で変わってきた考え方
こうしたものは、すべてブログの材料になります。
問題は、それを毎月パソコンの前に座って2,000文字、3,000文字の記事にすることです。
普段文章を書く仕事をしていなければ、これは簡単ではありません。
だから「書く」のではなく「話す」
今回の比較で一番お伝えしたかったのは、ここです。
記事3の材料になった情報を、社長自身がブログ原稿として書く必要はありません。
「最近、お客様からどんなことを聞かれました?」
「印象に残っているお客様の言葉はありますか?」
「ネットに書かれている情報で、ちょっと違うなと思うことはありますか?」
そんな質問に、普段話しているように答えてもらう。
その中に、その会社にしかないブログの材料があります。
TalkSeedは、その「話した内容」をもとに、AIを活用しながらブログ記事にしていくサービスです。
AIに全部考えてもらうのではなく、
AIが知らない「あなたの会社の話」を、あなたから少しだけ教えてもらう。
それだけで、ブログは大きく変わります。
工務店のブログで大切なのは「何を書くか」だけではない
工務店のブログというと、
「どんなキーワードを狙えばいい?」
「どんなテーマなら検索される?」
「何文字くらい書けばいい?」
と考えがちです。
もちろん、それらも大切です。
しかし、同じテーマについて多くの工務店が記事を書ける時代だからこそ、
「その会社だから書けることが入っているか」
も大切になっているのではないでしょうか。
AIを使えば、ブログを書くハードルは大きく下がりました。
だからこそ、AIに何を書かせるかではなく、
AIに何を教えるか。
そこに、その会社らしいブログを作るヒントがあります。
「ブログを書こうと思っても時間がない」
「何を書けばいいか分からない」
「AIで作ってみたけれど、どこかで見たような記事になる」
そんなときは、記事を書くことから始めなくても大丈夫です。
まずは、普段お客様に話していることを話してみる。
そこからブログの種は見つかります。

