ブログで集客したいと考える経営者や院長、士業の方から、「集客につながる記事にはどんな共通点がありますか」と聞かれることがあります。正直に言うと、私はこれまで多くのクライアントの記事づくりに関わってきましたが、公開後の記事を継続的に伴走して見てきたわけではないので、「成功している記事に共通する要素はこれです」と断定的に言えるほどのデータを持っているわけではありません。
ただ、それとは別に、テーマ選定や記事の設計段階で明らかに差が出るポイントは見えています。それは小手先のテクニックというより、「ブログ集客というものをどう捉えているか」という前提の違いです。この記事では、検索ボリュームだけに頼らないテーマの見極め方、1本の記事に集客の成果を背負わせない考え方、そして地道な積み重ねが結果的に一番の近道になる理由という3つの視点から、ブログ集客の基本を整理します。
「書きたいこと」と「集客に強いテーマ」は別物だと気づいていない人が多い
これまでSMB(クリニックや士業事務所など)のクライアントと関わってきた中で強く感じるのは、書きたいことと集客に強いテーマが違う、ということ自体に気づいていない方が実は多いということです。
ブログを広告収益のための集客ツールとして扱っている層は、検索ボリュームやキーワードの研究を徹底的にやります。一方で、クリニックや士業事務所のように、本業のかたわらで集客・集患のために、あるいは専門家として伝えたいことを発信するつもりでブログを書いている方は、逆に「みんなが何を知りたいと思っているか」「検索でどんな言葉が使われているか」をほとんど意識しないまま書いているケースが多い、というのがこれまで多くの方とお話ししてきた中での印象です。
もしそこに気づいていれば、最初からニーズに合わせたテーマで記事を書こうとするはずです。しかし、その前提自体を認識しないまま「なんとなく」ブログを続けている方が少なくない。これが、ブログ集客がうまくいかない一番根っこにある原因だと考えています。
検索ボリュームだけでは「集客に強いテーマ」は見極められない
とはいえ、検索ボリュームさえ意識すればいいというわけでもありません。検索ボリュームが大きいテーマと、実際に問い合わせや来院・依頼につながりやすいテーマは、必ずしも一致しないからです。
ボリュームが大きいキーワードは、それだけ多くの人が検索している証拠ではありますが、その中には「情報収集の初期段階」の人も、「今すぐ何かを決めたい」段階の人も混在しています。集客につなげたいなら、ボリュームの大きさだけでなく、そのキーワードで検索している人が今どんな状況にいて、何を必要としているかまで踏み込んで考える必要があります。
私たちがキーワードツールでテーマ選定を行う際も、単純に月間検索数の大きい順にテーマを並べているわけではありません。検索する人の背景にある悩みや、記事を読んだ後にどんな行動につながりそうかまで見た上で、優先順位をつけています。ボリュームは判断材料のひとつであって、それだけを唯一の基準にしてしまうと、アクセスは集まっても問い合わせにはつながらない、という状態に陥りやすくなります。
1本の記事で「今すぐ行動」を求めない、という発想
記事を読んでもらうことと、そこから実際に行動(問い合わせ・予約・相談)してもらうことは、別の話だと考えています。私自身、ブログはその場でいきなりCTA(行動喚起)に持っていくものだとはあまり考えていません。
「この情報は役に立つな」「この先生の考え方が好きだな」「こういう診療をしているんだ」「弁護士事務所であれば、自分と似たような事例のときにこういうふうに寄り添ってくれそうだ」。そうした情報を記事を通じて積み重ねていくことで、読み手の中に少しずつ「ここなら信頼できそうだ」という感覚が醸成されていく。1本の記事にたどり着いた読者が、他の記事も回遊して、サイト全体を通じて信頼を感じてもらう。ブログ集客の設計は、基本的にこの前提で考えるべきだと思っています。
だからこそ、「1本の記事で行動に移してもらうために、すべての記事の下にCTAを入れればいいのか」というと、そうとも言い切れません。CTAを置けば行動してもらえるというものではないからです。そもそもブログというものを「1本の記事で完結させる」という発想で設計しない、というのが私の基本的な考え方です。
この発想を持たずに、1本の記事でゴリゴリに集客を狙うような、押しの強い書き方をしてしまうと、逆効果になりかねません。そうした記事は、見た瞬間に嫌悪感を持たれて避けられてしまう可能性が高いからです。私自身、そういうブログを見かけると、読む気が起きずに他のページに移ってしまうことがよくあります。ブログ集客において、押しの強さは信頼を損なう最短ルートだと考えています。
信頼は「点」ではなく「線」で積み重なる
ブログで集客するというのは、1本の記事で集客が完結するようなものではないと考えています。基本は、考え方や人柄を伝え、読み手に信頼してもらう関係を、記事を積み重ねることで少しずつ構築していくものです。
だから、「これだけ押さえてほしい」というチェックポイントを挙げるとすれば、一番大切なのは「1本の記事で集客できる」と思わないことです。地道に発信を続けて、信頼関係を築き、自分の人柄や考え方を伝えていく。そうした積み重ねの先に、実際に依頼が必要になった瞬間に「あの人がいたな」と思い出してもらえる状態をつくる。それが、ブログ集客の本質だと私は考えています。
これからブログで集客したいと考えている経営者や院長、士業の方に向けて、最低限押さえておいてほしいポイントを整理すると、次の3つになります。
- 検索ボリュームだけでテーマを選ばない:検索している人の状況や、その先にある行動まで見据えてテーマを選ぶ
- 1本の記事に集客のゴールを背負わせない:記事はあくまで信頼を積み重ねるための一手段と捉える
- 地道な継続を前提に設計する:数記事で結果を求めず、思い出してもらえる存在になるまで発信を続ける
TalkSeedでも、ラッコキーワードによる検索データの調査と、クライアント自身の言葉を活かした一次情報での記事づくりを組み合わせているのは、この「ニーズに合ったテーマを、その人にしか書けない言葉で、地道に積み重ねていく」という考え方があるからです。ブログ集客に近道はありませんが、この3つを押さえて続けていくことが、遠回りに見えて実は一番確実な方法だと感じています。

