「AIでブログが作れる」と聞いて実際に試してみたものの、思っていたのと違ったという声を、この仕事を14年やってきた中小企業経営者や個人事業主の方からよく聞きます。今日は、なぜそう感じてしまうのか、そしてこれからAIでブログ運用を始める方がツールやサービスを選ぶときに何を見ればいいのかを、私なりの考えとしてまとめておきます。
「AIでブログが作れる」の中身は2種類ある
まず整理しておきたいのは、ひとくちに「AIでブログが作れるサービス」と言っても、中身が大きく2つに分かれるということです。ひとつは、記事を書くためのAIツールを提供して「これを使って自分で書いてください」というタイプ。もうひとつは、AIが記事そのものを作って納品してくれる、いわば記事の量産型のサービスです。
前者は、ツールを渡されただけで、それを使いこなせるかどうかはまったく別の話です。AIを使った経験がない方が、ツールだけ渡されて「じゃあ何となく作ってみよう」とできるものではありません。ここで「思っていたのと違った」となる方は少なくないはずです。
では後者、実際に記事を作ってくれるサービスならうまくいくかというと、そちらはそちらで別のつまずき方をします。出来上がってくるのが、その会社やその人ならではの考え方や経験が反映されていない、どこかで見たようなありふれた記事になってしまうケースです。これは結局、自分が書いた記事っぽくない、いかにもAIが書いた記事だという印象になってしまいます。ツールを渡されて操作に迷うのと、記事は出てくるけれど中身が薄いのとでは原因はまったく逆ですが、どちらも「思っていたのと違った」という結果にたどり着いてしまうわけです。
ChatGPTに直接プロンプトを打つだけでは、なぜ効果的な記事にならないのか
もう少し身近な例で考えてみます。ChatGPTやGeminiに「何々についてブログ記事を3,000文字で書いて」と直接プロンプトを打ち込んで作る方法は、多くの方が一度は試したことがあるはずです。しかしこのやり方で、いわゆる効果的なブログ記事ができることはほぼありません。
理由は、「何々について書いて」という発想そのものが、その本人が思いついたことをそのまま指示にしているだけだからです。ぱっと思いつくようなテーマは、たいてい他の誰かもすでに書いています。つまりプロンプト一発で出てくる記事は、みんなが書いていることの焼き直しになりやすいのです。
さらに、SEOの前提そのものも変わってきています。これまでは「何々とは」という説明をページに書いておけば検索から拾われて、そこからサイト内を回遊してもらう、という組み立て方が通用していました。ですが今は、その手の一般的な説明はAIが検索結果の中で直接答えて完結してしまいます。だからこそブログの中身にも、その人ならでは、その会社ならではの一次情報――やり方や考え方、思い――が乗っていないと、記事を作る意味自体が薄れてしまうのだと感じています。これはブログに限らず、クリニックであれば院長ならでは、税理士や弁護士であればその先生ならではの視点が求められるという意味で、業種を問わず共通する話です。
「いかにもAIっぽい記事」と、そうでない記事の分かれ目
同じAIに書いてもらうにしても、「いかにもAIっぽい記事」になるかどうかは、実はこの数ヶ月、1年でもかなり様子が変わってきました。一年ほど前は、極端に言えば見出しと箇条書きの連続で、これはブログと呼べるのかというレベルのものがありました。それが今では、ChatGPT・Gemini・Claudeといったツールごとに文章表現の違いはあるものの、ごく普通にブログ記事らしい形で書いてくれるようになっています。
それでも「AIっぽさ」が抜けきらない記事は依然として存在します。その原因は、プロンプトの書き方のテクニックにあるのではなく、特別な情報を与えずに「何々について書いて」とだけ指示していることにあります。よくプロンプトの語句やコツを紹介するYouTube動画などを目にしますが、正直なところ、今の精度であればそこまで神経質になる必要はないと感じています。それよりも大事なのは、何について書きたいのか、それに対して自分はどう思っているのかという中身が、指示の中に入っているかどうかです。これが入っていないと、AIは当たり障りのない一般論しか返せず、結果として「いかにもAIが書きました」という印象になってしまいます。
LINEで話すだけの記事作成が、プロンプト入力と何を変えるのか
ここまでの話を踏まえると、ChatGPTに直接プロンプトを打ち込む方法と、私たちTalkSeedのようにLINEで話した内容をインタビュー形式で記事化していく方法との違いも見えてきます。プロンプト入力では、結局「何を書きたいか」「自分の思いは何か」という中身を、自分自身で言語化してテキストとして打ち込む必要があります。これは、AIを使い慣れていない方や、そもそも自分の考えを文章に起こすのが得意でない方にとって、想像以上にハードルの高い作業です。
一方でLINEボイスインタビューでは、質問に対して話すだけで、その人ならではの経験や考え方――つまり一次情報――が自然と引き出されます。書く作業ではなく話す作業に変わることで、「何を書きたいか」を先に頭の中で整理してテキスト化する手間がなくなり、結果として一次情報が記事に反映されやすくなります。これは効率化のための工夫というよりも、「AIっぽくない、その人にしか書けない記事」を無理なく実現するための仕組みだと考えています。

これからAIでブログ運用を始めるなら、サービス選びで見るべき視点
最後に、これからAIを使ってブログ運用を始めたいと考えている経営者の方に向けて、私が一番大事だと思っている視点をお伝えします。それは、「AIを使ってブログを書きたい」という発想そのものを、いったん脇に置いてみてほしいということです。
ブログというのは本来、集客のための手段のひとつにすぎません。これまでは、ブログに書くことが思いつかない、書く時間がない、いざ書こうとすると1本に2〜3時間かかってしまう、といった理由でうまく運用できずにいた方が多かったはずです。そこにAIという新しい選択肢が現れたことで、その手間を効率化できるようになりました。つまり本来の順番は、「AIを使いたい」が先に来るのではなく、「何をしたいのか」「そのために何を発信すべきか」があって、その手段としてどのAI、どのサービスが有効かを選ぶという流れになるはずです。
この順番で考えると、ツールやサービスを選ぶときに見るべきポイントも自然と絞られてきます。操作のしやすさや料金、生成される文章のクオリティといった比較軸ももちろん大事ですが、それ以上に、自分やその会社ならではの一次情報――考え方や経験、その場でしか語れないエピソード――を記事に反映できる仕組みになっているかどうかを確認してほしいと思います。ここが抜け落ちたサービスを選んでしまうと、どれだけ効率よく記事を量産できても、結局は「思っていたのと違った」というありふれた記事に行き着いてしまうからです。
AIでブログを作ること自体は、もう特別なことではなくなりました。だからこそ、その先にある「誰の言葉が乗っているか」という部分に、ぜひ目を向けてサービスを選んでみてください。

